FOUND Inc. ROOM_201 / NOVEL SHELF
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THE FOUNDING STORY

FOUND Inc.
// BORN FROM THE BUG

ROOM 201 NOVEL SHELF

Too specific to exist.
Too useful not to build.
room_201
index.html | style.css | app.js
ROOT@BUG_TERMINAL:~#
> # [FATAL] Hardware missed. device = "Smartphone"
# [ERROR] Shortcut "Ctrl+F" not found. if "Ctrl+F" not in device:
kensaku_kun.deploy()
my_sidekick.md saved chapter_04
UTF-8 日本語 auto save 1500ms
翌朝、バグは自宅のベットに座り込んで、 ケータイ画面を見て固まっていた。 この状況はもう誰が見ても察してしまうだろう。 そうだ。 それだ。 スマホの時計は10:40あたりをさしている。 昨日は終電で帰ってきて、 少しだけ進めようとノートPCを触ったからだ。 まぁ、睡眠時間としては 遅寝をしたわりに普通に寝ましたくらいだ。 スマホでチャットアプリを開く。 検索くんから、絵文字が一つ。
検索くん 📩
🕘
あ、9時の授業開始のおしらせだ。 こういうパターンあるんだ。って思った。
BUG 📤
すみません、今起きました、向かいます
と、返事をした。 こういうときこそ、下手に焦ったら事件が連鎖するんだ。 昨日の、検索君が言っていたことを思い出す。 "明日もスマホと財布あれば……" そうだ。スマホと財布。オーケー。 いつものリュックを背負って靴をはいた。 ここから40分くらい。 そんなことより、 今、一番ショックなのは、 授業が始まっている。 すなわち、今日の噂のオンライン授業システムの立ち上げ画面は見れそうにない。 バグの考えは明後日の方向のまま、部屋を後にした。
Status: 200 OK... [INTERNAL_SERVER_ERROR]
LOG 10:41:42 [SYSTEM] Emergency wake-up signal injected. (Process: Bug)
LOG 10:52:04 npm run walk -- --env=production --max-cpu-usage=400%
LOG 11:10:33 [WARN] Internal_Temp: 42°C. Cache verification skipped to save time.
LOG 11:34:18 HTTP/1.1 200 OK - Connected to Room-201 (Ping: 1ms)
ターコイズブルーのドアの部屋。 201号室。検索くんの部屋だった。 バグは床に敷かれたカーペットに座り込んで、リュックを見て固まっていた。 この状況は誰も予測しなかったんじゃないだろうか。 そうだ。 もういやだ。 いつものリュックにノートPCが入ってなかった。 たった今2限目のオンライン授業を終えたばかりの検索くんが、イヤホンを外す。 バグはベットの上にいる検索くんへ向き直った。 昨日、あんなに助けてもらった修正データもノートPC内だ。 やらかしすぎてて、何から言っていいかもわからない。 そんな様子を検索くんはベッドの上から見おろした。 じっくり観察するように見て、半笑いで自分のノートPCを差し出しながら言った。 「これ、使っていいよ」 「データ、忘れてきたやつの中です」 声は小さすぎて、たぶんちゃんと届いてなかった。 「一回顔上げて見てみ?」 バグは、説教されてるゴールデンレトリバーが、飼い主を見る時みたいに、慎重に検索くんの方を見た。 PC画面には、自分のパワポデータが表示されてる。 昨日、バックアップあるっていってたな、そこからもう一回作成かな。なんてことをバグは思って、ため息をついた。 「昨日4:00までやってんじゃん」 再度検索くんの方を見た。 バグの顔から「俺、言ったっけ?」が滲み出ていた。 「ペルソナ、良い感じじゃね?」 「んぇ?なんで知ってんの?」 「昨日、デスクトップに共有フォルダ作るって言ったじゃん」 「え? それ、そこで? え?」 「見れてるよ」 「わあぁぁ! 検索様ぁぁぁ!」 バグはカーペットにこれでもかと頭を埋め込んだ。 「スマホと財布握りしめてれば大丈夫って昨日言ったじゃん」 「そういうことでしたぁ?」 バグは完全に力が抜けて、カーペットとお友達になっていた。 その様子を検索くんはベッドから覗き込む。 「でも、共有しといたの、パワポとかメモとかくらいだから」 「だよね……」 「今日やるコードの修正はスマホな」 「……俺スマホでコード触ったことないです」 バグの顔は分かりやすく、 反省5:興味5くらいになっている。 「ん、想定内。さすがにずっとそこだとスマホ画面みえないから、ベッド座って」 「スマホでコード編集はエグいって聞いたことある」 「別にそんなことない。 こっち座って、設定するよ」 「よろしくお願いいたします!!」 バグは飛び上がるように、 ベッドに移動した。 そこからは早かった。 検索くんが、ガンガンアプリのダウンロードを進めて、バグは指紋認証が必要な時の親指係だった。 「リポジトリとデプロイツール、公開サイトだけホームに追加してあるから。今日はその三つあればOK」 バグは検索くんから、スマホを受け取る。 「おおお、もうコード編集いけるじゃん!」 バグが、自分の作成中のコードページに手を伸ばした瞬間、 検索くんの腕が延びてきて、バグの手首を引っ付かんだ。 「やったこと、ねぇんだろ?」 その瞬間の検索くんは、昨日からの数時間も含めて一番怖い顔をしていた。 「やったことないです……」 おとなしくなったバグを確認して、手首から手を離す。 「今日の授業、おまえ出てることになってるから」 「ヒィン!そんなところの対応まで、ありがとうございます!」 「今日の授業のとこが練習にちょうど良さそうだったから、別に課題とか出てる訳じゃねぇけどそれで体験させる。OK?」 「OK!」

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授業内容はそんな難しい感じじゃなかった。 ……って言ったのはどこのどいつだ! って思った。 確かに普段通りノートPCなら、問題のない内容だった。 一番困ったことは、スマホのコード編集ページで『Ctrl + F』、つまり、画面内検索が使えないことだった。 しかし、今日の先生代理検索くんは、そんなことまったく気にしてないみたいで、calculateTax を全部差し替えとか言ってきやがります。 かるくらたたくす。 バグの頭の中では、魔法少女的な子が呪文を唱えていた。 「カルクラタタクス~! 世界を新ルールにアタッチよ」 キラキラリンと音がして、スーパーの値段のポップに、新しい金額のシールが次々と張られていく。 やってくれることはさっき聞いたからなんとなくわかった。 でも、そもそも、その魔法の呪文を見つけないと新ルールを入力してあげれないんだよ。 文字を探して、俺は300行のコードを上から下から練り歩き続けていた。 何周もまわるうちに目がつかれて、 さらに状況が悪くなっていく。 もう既に30分は経過しようとしていた。 パソコンでやったら、5分の案件だ。 そろそろ泣きそう。とか考えてたら、ベッドで横になってスマホを見ていた検索くんが、起き上がった。 「なにしてんの?」 バグの顔は苦虫を噛み潰したようだった。 「いや……これスマホ無理でしょ。 かるくらたたくすなんか黙視で見つからねぇって」 検索くんは、3秒くらい静止した。 「あ、ごめん。もう渡したつもりでいた」 そう言って、俺のスマホに何か送ってきた。 「URL?」 「うん、あけてみればわかる。」 ホームページを開くとIndexに大きく『検索くん』とかいてあった。 「ん? 検索くんオフィシャルページ持ってるの?」 「違う。その名前は、まぁいいから。とりあえずEnterして」 そう言われてEnterを押した先は、シンプルな検索ページだった。
「そこのテキストボックスに元の文ね。あとキーワードいれて検索したら検索結果一覧で出てくるから。一覧おしたら、テキストボックスの中も移動するから、そのままそこで差し替えて」 「……んのぃ! これ、速攻終わるやつ! ……俺、Ctrl+F探しで10分くらい難民したんだけど。 このサイトも、他サイトも出てこなかった」 「うん、出てこない。 俺がつくったやつだから」 「つくゥ?」 「まぁ、普通に使いやすいよ。使えば?」 「んんッ…! 使うけど、使うけど!」 ホームページを見る。 さっきけっこう、いろんなページ検索したけど、こんなサービスはマジで見つからなかった。 スマホでコード編集がどれほどニッチか……ってことか。 「検索くん」 「なに?」 「課題戻る前に、コンビニにアイス買いにいきません?」 「……行く」 「あーーー、俺のあの辛い30分、二度とやりたくねぇーー!」 バグは髪の毛をグシャグシャにしながら立ち上がった。 「だから、それ使えば?」 「へぇ。酷使させていただきますぅ」 バグは玄関に向かいながら、 『検索くん』の画面を眺めた。 バグの顔はにやけていた。 「なんだよ?」 にやけていたのが見られていた。 「これって、検索くんが開発したってことでしょ?」 「うん、一応。開発かな。 コード直すこと以外の目的ないけど」 「えへへ、俺もこれでコード直すわ」 「だから、使えば?」 バグは、オンライン授業システム以外に、 まさか他にも開発ツールがあるとは思ってもなかった。 シンプルな見た目、売り物じゃない感じ。 ほんとのほんとに、 検索くんが作った『検索くん』。 それを使う許可がもらえたことが、思った以上に嬉しかった。