FOUND Inc. ROOM_201 / NOVEL SHELF
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THE FOUNDING STORY

FOUND Inc.
// BORN FROM THE BUG

ROOM 201 NOVEL SHELF

Too specific to exist.
Too useful not to build.
room_201
HERO IMAGE / CODE WINDOW / LIGHT LEAK
ROOT@BUG_TERMINAL:~#
# query --find="where the bug lives"
# # trace down a bug --output=screen
> Running...
the_myth.md saved chapter_01
UTF-8 日本語 auto save 1500ms
ある夏の夜。 暑い外の空気に対抗しようと、 クーラーが全力で唸っていた。 その部屋の中心で、 PCのファンがこれでもかと回っている。 手入れされていない黒髪が、 さらにグシャグシャに掻き乱される。 切羽詰まった表情の青年は、 キョロキョロと画面に目を走らす。 汗の滲んだ顔をTシャツの裾で拭った。 マウスからも手を離し、 PCの前に胡座をかいて、画面をにらみつけていた。 「あぁーーもう!」 声を上げてノートPCをぱたりと閉じる。 布団にごろりと横たわり、少しだけ目を閉じた。 しかし、眉間にしわがより、 バタバタと雑にスマホを探す。 手探りで見つけたスマホの画面がパッと明るくなる。 開かれたのはチャットアプリだった。 上の方に表示されてる、 アイコンを素早く押して 目にも留まらないスピードで文字を打ち込んでいく。
BUG 📤
ヤバい、課題進まねぇ。
ChatGPTもGeminiもお手上げ
送信を押して、息を吐く。 画面が暗くならないうちに返事がきた。
class = "observer" 📩
おぉ、バグ。おつかれ。けっこうやばいの?
バグ。それが俺のあだ名だ。
BUG 📤
全然動かない。間に合わないかも


class = "observer" 📩
マジか、だから難易度下げろっていったろ
こいつ言う通りだ。 課題の内容は 『オリジナルSNSの発表。 (※実装ページは簡単なサイトイメージを作成でOK)』 簡単なサイトでOK. そんなことを言われても、バグの頭の中には虫の沸くようにざわざわとやりたいことが蠢いていた。 でも、やりたいことが、実際にできることかは別だ。 長いコードと、使ったこともないシステム。 ChatGPTやGemini。 時にはGrokにも助けてもらいながらの使用や入力。
⚠️ Run Failed
Process finished with exit code 1
RuntimeError: Fatal error detected. Execution aborted.
(AI suggestions: No solutions found for this syntax.)
全然思うように動かない。 もうこれ以上AIに、 どんな質問をするべきかすら思い浮かばない。
BUG 📤
だれか、こういうの強いやついねぇ?
精一杯、進める努力は、するつもりだ。 諦めるつもりはない。 できるかは、別だが。
class = "observer" 📩
無理だろ
俺だっておまえの話きいたけど、
どう組むのか想像ついてないもん
(だよなぁ) 頭の中の虫の隙間から弱音が顔を出す。 返事をせずに、胸の上に置いていたスマホの画面が光る。 追いチャットだ。 胸の上に置いたまま、顎を引いて画面を見る。
class = "observer" 📩
あいつに聞いてみたら?"検索くん"に
バグは少し怪訝な顔をした。 『検索くん』 ソイツは俺と同じ専門学校の同級生だと、 噂で聞いたことがある。 噂で聞いたことがある、 って言い方をするのは、 本当に噂でしか登場したことがないからだ。 同級生、19歳。 入学早々学校側に、オンラインでの受講を直談判して、通ったってやつだ。 そういうことできるんだな、と思ったら例外らしい。 そいつは、学校に導入できるレベルのオンライン授業用のシステムを提出したんだと。 それはすこぶる設定が簡単で、動きも軽くて、直ぐにも全授業オンラインに切り替えれそうなレベルだった。って噂。 でも、学校はいきなりじゃあそれ導入しましょう。 って訳にはいかなかったみたいで。 1年間、検索くんがオンライン授業を受けてみて、問題がなかったらガチで導入するらしい。 専門学校来る必要あるのかよそんなやつ。 とか思ったけど。 噂。 会ったことない俺でも、これくらいの情報を持ってる。 そんなヤバいやつ。 そんなヤバいやつじゃないと、この課題は救えないかもしれない。 背に腹はかえられぬ。 弱音を吐いた気持ちに自ら薪をくべようと、スマホから曲を流す。 軽快なリズムに流されるように、返事をした。
BUG 📤
だれか、検索くん紹介してくれる人いない?
座り込んでChatGPTや、Geminiに声をあらげてるより、足を使って助けを求めた方が、解決するかもしれない。 しないかも、しれないけど バグは改めて目を閉じた。 『検索くん』を想像する。 入学早々、そんなすごいことをやってのけるやつだ。 学校に直談判なんか、相当自信ないと無理だろ。 髪をなびかせ、ノートパソコンを持つ腕がムキムキの、何故か赤いマフラーをしている個性的なメガネのやつが頭の中にわいてきた。 うーん、こういう人が直談判してきたから、先生も少しびびってOKしたのかもしれない。 もう半分眠りの中だった。 バグの脳みそからは眠りに落ちる瞬間まで、なにかが蠢いていた。
PowerSavingMode...
[LOG] 23:15:42 - User "Bug" went offline.
[LOG] 06:30:00 - Booting conscious_system... Success.
[LOG] 08:31:15 - ● New Message Received from "class = "observer"
翌日、昨日のやつから、 共通の知り合いを見つけたと連絡が来た。 本当に俺の周りは優しいやつばっかりだ 授業の課題に限らず、なんでも。 俺はけっこう機械との相性は悪いほうだった。 入学して最初の授業でノートPCを開いたら、すべてのデータがアンインストールされ始めた。
INSTALLATION STATUS
99% Complete Remaining: 1 sec
その日は隣のやつの画面をのぞかせてもらってなんとかしのいだ。 他の授業でもたびたび、 だれも予想ができない場所でエラーがおきた。 今となってはクラスメイトの方が俺のバグに対して落ち着いてきている。 何度も起こるってことは、 再現性があるバグだから、ってさ。 そんなこんなで俺のあだ名は"バグ"だった。 検索くんも、相当変なあだ名だよな。 学校に来てないのに、あだ名だけが歩き回ってる。 昼休みに、友達の友達が時間をくれた。 今回の経緯を話すと快く承諾してくれた。 快く承諾してくれた後に、渋い顔をした。 「え、聞かない方がいい?」 つい、直球ストレートで聞いてしまった。 「んー、なんていうか」 ソイツは『検索くん』の連絡先を渡しつつ、あきれ顔でこう付け加えた。 「連絡しても、 アイツ、家から出てこないと思うよ」 なるほど。 陰キャ引きこもりサイバーハッカー系か。 バグの脳内はまた新しい情報を勝手に生み出していた。 礼を言って、早速連絡しよう。の前に一応ChatGPTに、頼み事をする時の文章の作成をお願いする。 失礼がないように、 同級生かもだけど、一応。 ことの経緯もふまえて、 わりと、ちゃんと送った。 オンライン授業を直談判するくらい引きこもりって、 チャットの返事とかできるかな? バグの脳内の検索くんは、今毛布にくるまって震えながらオンライン授業を受けていた。それでもイメージの検索くんは赤いマフラーをしていた。 次の授業終わりに、返事が来てた。
検索くん 📩
さっきの授業で窓際にいた人ですよね
内容聞いてみないと
どうなるかわからないですけど
今日の授業終わりならいいですよ
おおお、承諾された。 それよりも、 「窓際にいた人ですよね」 怖すぎるんだが。 バグはホラー映画の冒頭のごとくザワザワした。 教室のどこかにあるであろうカメラを 探したい気持ちを抑える。 キョロキョロ見回す代わりに 教室の全体像を思い出す。 設置できそうな場所…… 前の方だと、んー、後ろが遠すぎるかぁ。 広角カメラ? 追尾型? それとも別の認識方法か? 教室が360度見渡せるなら、確かにどんな授業でもできる。 きっと、洗練されたフレームデザインで、先生の授業データがミラーリングで表示されてて……文字が読みづらいときは、画面のコントラストを調整するボタンをつければ解消される。 あとは、生徒からのレスポンスも受けれるようにしないと。 先にチャットに質問ですボタンを実装して、そのボタンが押されたら先生のパソコンにアイコンと名前が表示されるようにすれば、先生も名前呼び間違えたりしないし、そのアイコンをタップすれば、発言権がONになって…… 窓からの漏れ明かりが眩しくて、我に返った。 教室にはもう、 先生も生徒も、 誰もいなかった。 一瞬空気がシンとしたが、 いつものこととスマホに向き直る。 明日また、クラスメイトに"トリップしてた"から置いて帰ったとか言われるんだろうな。 検索くんの、チャットを開く。
BUG 📤
お疲れ様です。授業おわりましあ
誤字ったし。 授業がとっくに終わってることは、 検索くんも同じ授業を受けてるんだから わかってることだと後で気付いて、 送信取り消ししたくなった。