FOUND Inc. ROOM_201 / NOVEL SHELF
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THE FOUNDING STORY

FOUND Inc.
// BORN FROM THE BUG

ROOM 201 NOVEL SHELF

Too specific to exist.
Too useful not to build.
room_201
index.html | style.css | app.js
ROOT@BUG_TERMINAL:~#
# search --room="201" --user="kensaku-kun"
> [PING] Target detected before request.
> [OPEN] Room 201 door lock unlatched.
> # debug --speed=max "bug_task.err"
kensaku-kun.md saved chapter_02
UTF-8 日本語 auto save 1500ms


検索くん 📩
お疲れ様です。
それだけ返事がきた。 またカメラで見ていたのだろうか、俺疲れてるように見えたかな。 広がりそうな脳内の虫を振り払って、返事を返す。
BUG 📤
どこで話しましょうか。 駅前のカフェとかいかがですか?
どうしましょうで全投げじゃあ、よくないよなと、一応提案をした。 『連絡しても、アイツ、家から出てこないと思うよ』 そう言われたことが気になったが、 直談判してまでオンライン授業を勝ち取った人を、学校に集合させるのはなんか矛盾してた。 あ、ていうか、学校なら検索くんとオンラインでできるじゃん。って考えが至った瞬間に返信が来た。
検索くん 📩
俺の部屋でもいいですか
まさかの、部屋だった。 意外だ。 ストーカー系引きこもりサイバーハッカーが、まさか自身のアジトを差し出すとは。 チャット画面には、あのアプリのマップとピンが共有されていた。 「は?」 思わず声が出た。
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
📍 Shared Location
[MAP CONTAINER]
------------------------------------------
🏫 School [Lat: 35.681, Lng: 139.767]
↓ (Distance: 15m / 徒歩10秒)
📍 Target [Lat: 35.681, Lng: 139.768]
------------------------------------------
Open with Navigation App
学校のほぼ隣じゃん。 またバグの中の検索くんイメージが揺らぎだす。 次の瞬間には、赤いマフラーをして車椅子に乗った盗撮魔がオンライン授業を受けていた。 そうだな。事情は誰にでもあるもんな。 何故かバグは生暖かい気持ちになり、コンビニでお菓子と飲み物くらい買って行こう。と、コンビニへ向かった。

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コンビニのビニール袋を片手に、建物の前に立つ。 「わ、あのマンションじゃん」 専門学校の直ぐ裏手にある。 ちょっと変なマンションだった。 どう変かというと、とりあえず1FにBARが併設してる。 そこは、まぁ、ないことはないかもしれない。 一番目にはいるのはマンションのドア。 すべての色、デザイン、形や装飾まで違っていて、なんていうか平成初期のミステリー小説とかに出てきそうな感じ。 平成初期知らないけど。 201号室。 上へ行くのは螺旋階段しかないようだ。 今時、螺旋階段。 しかも白い。 白い螺旋階段だ。 バグの脳内には、何曜日かのサスペンス劇場のようなシーンが浮かんでいた。 犯人は赤い扉に逃げていきました! 刑事が叫んだところで階段を上りきった。 201号室は階段の直ぐ横にあった。 よし、一番逃げやすい配置だな。 そんなことを考えて、ドアのチャイムを探す。 201号室のドアの色は、 鮮やかなエメラルドグリーン。 またはターコイズブルー、青緑色。 そのドアの横には宅配ボックスらしき箱がおいてある。 それも色というか、 なんというか存在というか、 箱には取っ手などもなく、 開け方が想像つかない感じだった。 色々気になっているうちに、 ガチャっと鍵の開く音がして、 インターホンから声がした。 「なにしてんの? 入っていいよ」 また、見られていたのか!?
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
📹 LIVE STREAMING
Source: Intercom_Camera_01
Resolution: 1080p | FPS: 30
Object Tracking: Target Detected ("Bug")
バグは警戒したが、それでも助けてもらわないとどうにもならないと振り切って、真鍮っぽいドアノブをそっと開けた。 誰も立っていなかった。 鍵開いた音したけどな。と思ったが、少し止まる。 玄関から見える室内は、 スッキリと洗練されている。 グレーのカーテンがあけられていて、 傾ききった夕日が射し込んでいた。 「おじゃましまーす」 誰にかけるでもなく静かに部屋の奥に向かって囁いた。 「全然いいよ、入ってきて」 声がして、それがけっこう若い感じしてホッとした。 靴を脱いで、部屋にあがる。 ドアの色派手めだったけど、部屋は全然。 むしろ、大人っぽい。 廊下と細い台所を抜けてワンルームの部屋に行き着く。 「なに作ろうとしてるの?」 そこにいたのは、黒いパーカーに緩めの黒のスラックスを履いて、ベッドに楽に横になりながらこっちを見ている銀髪の幼めイケメンだった。 「んに?」 バグは制御できずに声が出た。 相手はその反応もほぼほぼ無視で、 ノートPCが入ってるであろう鞄の方を見ながら、手でちょいちょいと呼んでみせた。 「なに作るのかって」 バグは、なるほど王道ハッカータイプだったかと、自身が勝手に持ち込んだギャップを埋めて、床に座ってノートPCを開いた。 「そんなとこでやらずに、ベット座りなよ」 「は、はい」 バグは反射で返事をして立ち上がり、 検索くんだろうと思われる自己紹介もしてない人の、枕元に座った。 「えっと、まずはチャットで説明した通りなんだけど」 「課題のSNS作成のパワポと、実装イメージのhtmlね」 「おぉ、なんでもわかるんだね」 「いや、授業受けてるし」 「あ、そうだった」 「パワポ作ったとこまでみせて」 「あ、おう」 同級生とも初対面とも、なんとも受け取りがたい距離感を抱えたまま、提出用のパワポを開く。 「……」 なんか、黙られた。 ショボすぎで引かれてたら、どうしよ。 バグの目はどこを見るでもなく、なんとなく部屋の中を見ていた。 すると、突然。 シャーーーーー と、静かめな音と共にグレーのカーテンが閉まり始めた。 「ぬんぉ」 びっくりして、バグから変な音が出た。 「あぁ、日没」 検索くんは、それだけ言った。 「あぇー、すげぇ……」 ショッピングサイトとかでは見たことあるけど、実装してるの初めて見た。 バグの目はカーテンに釘付けだった。 カーテンがしまりきると、ベッドの足元にある間接照明がフワッと優しい光を灯した。
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
🌅 HOME AUTOMATION (SUNSET)
Event: Sunset time Detected
> Curtain_01 -> CLOSED (100%)
> Indirect_Light -> FadeIn_On_Sync (30%)
バグはそれも、目で追う。 空気が止まった様子を感じ取って、 検索くんはノートPCから顔をあげる。 今になって、はじめてバグの顔の方を見た。 バグは口を半分あけたまま、 子供みたいに目を輝かせてた。 「すげぇ……これ、間接照明の点灯のタイミングは日没に合わせた?それとも光量を感知させてる?あ、でも、カーテンの閉まるタイミングが計算できれば、完全に閉まるのと同時に点灯させることもできるか!」 バグは、捲し立てるように一息でしゃべりきった。 ほぼほぼ、無意識で、 言ったこと以外のことは考えてなかった。 検索くんは、バグから目が離せないままだった。 少し、間が空いた。 「あ、カーテンの閉まるタイミングの計算が、正解」 「やっぱ!今日は夕日強めだし、そっち優勢かなって思った!」 バグは回答に満足したのか、 やたら落ち着いた様子で検索くんの方を見た。 はじめて目があった。 検索くんは横になったまま、見上げていた。 「あ、俺、ば」 「あぁ、名前知ってる」 検索くんが素早く掻き消した。 「あーね。一応、みんなからはバグって呼ばれてる。あだ名はね。って知ってるか」 「それは、知らない。先生の名簿にはなかった」 「え、検索くんって、やっぱハッカー?」 その言葉に、検索くんの表情が初めて変わった。 「……なんで、そのあだ名知ってんの?」 バグは予想外すぎる質問に目をパチパチさせた。 「え……皆そう呼んでるんじゃないの? 俺が聞いたのは、検索くんって天才がいる、みたいなやつ」 「……天才ではないけど。それ、小学生の時のあだ名」 「え、なにそれ。俺、どこから情報聞いたの!?」 「知らねぇし、てめぇのsourceはてめぇで管理運営な」
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
[WARNING] Information Source not found.
> Variable "Genius_Nickname" derived from undefined origin.
> Status: Unknown Source //てめぇの管理不足
「そ、それ使い方万能すぎるでしょ」 2人は含み笑いで顔を見合わせる。 検索くんが、ニヤッと笑った。 「この部屋、1個1個反応してたら、課題終わらねぇから。今から何があっても反応禁止な」
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
🚫 REACTION_PROHIBITED_MODE
User_Status: "Bug" -> Muted // Keep no reaction
Room_Trigger: Ignore_All_Surprises = True
※ここから先、部屋のギミックへの興味関心は一切受け付けません。
「は?なにそれ、むりじゃん」 「このパワポ資料の情報量、なんだこれ」 「え?実装に向けたイメージとか、使い方とか」 バグがノートPCに改めて向き直る。 「それはわかる。でも、ツール紹介、開発方針、世界観、エラー、そう言うのが一緒くたになってんだよ。お前、これ見ながらコード組めんの?こことか、説明文っていうか小説じゃねぇか」 「それは、膨らんだイメージとかを1ヵ所にまとめて置く感じにしておいて、あとでAIに資料としてブラッシュアップしてもらおうと思ってたから」 バグは自分の顔が熱くなるのがわかった。 「お前AIなにつかってんの?」 「ChatGPTとGeminiがメインで、ちょっと面白い発想ほしいなって時とかはGrok」 「コード組ませたりとかもやらせてる?」 「ぉん、やってもらってる感じ」 「今の作り途中のやつ、どうなの」 「最初のうちはいい感じに進んでたんだけど、ここ2日とか壊れまくりで、復帰にめっちゃ時間使った」 「なるほどね。お前のChatGPT、機能の提案してくるタイプだろ」 「え、なんでわかんの? すご。めっちゃ助かってる」 検索くんはピクッと口の端を動かした。 「ちげぇよ。お前の企画書にAIが混乱して進めなくなってるって言ってんの」
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
🤖 AI_CORE_CONFUSION
[ChatGPT] Parsing user_requirement.pptx ...
[Gemini] Analyzing Target_User: "Red_Ranger" ???
[FATAL] Conflict: Cannot combine "Novel_Plot" and "Source_Code".
> [2026-07-12 19:01:00] [CRITICAL] [Brain_Core] Initialization failed. [FATAL] OutOfMemoryError: Planning document size is too large and disorganized. [WARNING] Garbage Collection cannot clean up these messy ideas. [ERROR] Solution: Please kill the current process and re-design the specs from scratch. [STATUS] I don't know what to build anymore. Program terminated.
「えぇ、なんで?めっちゃ、やりたいこと書いてるじゃん、ほらどんなユーザー想定とか」 「ユーザー想定になんで戦隊レンジャーみたいなのがいるんだよ」 「待って待って、これはサンプルとして並べた」 「壊れる原因それじゃねぇか」 「反論できない、昨日cssが真っ赤に染まった」
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
[STYLE_ERROR] style.css -> 142 Errors Found
--------------------------------------------------
❌ line 12: Unexpected token '戦隊レンジャー'
❌ line 45: Property 'world_view' does not exist in CSS.
❌ line 89: AI forced termination due to formatting madness.
「もう痛い目みてんな、まずは資料、情報減らすとこから」 「うぎぎ、正論」 「一番シンプルになるように、基本」 「わかった」 バグがノートPCに向き合う瞬間。 廊下の方で風呂のお湯が溜まり始める音がした。 「え、まさか今お風呂の……!」 「うるせぇ、何も見るな聞くな感じるな、資料を作れ」 バグはその言葉を無視して、お風呂場へ駆けつけた。 「……ふ」 検索くんは思わず笑った。 動くカーテンを見て、開閉方法の話になることはあったが、それよりも足元の間接照明。さらに最初に制御方法の話を始めたやつは初めてだった。 こいつの頭の中、もしかしたら。
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
[COMPILING_USER_DATA] Re-evaluating "Bug"...
> Skill_Level: Novice //不器用/下手/注意力散漫
> Insight_Level: Quantum / Unpredictable //未知数の視点/膨大な情報量
--------------------------------------------------
[SYSTEM_UPDATE] "Bug" has been added to the whitelist.
いや、憶測はしない。 上半身を起こし、座り直す。 お風呂から、バグがヘラヘラしながら戻ってきた。 「普通にタイマーだった」 「だから、言ってんだろ。反応禁止」 「えー」 「おまえ、最初にやりたかったことだけ書いてみろ」 「うーん」 「あと、周りで何が起きても気にすんな。なんか鳴ったら、"タイマー"てリマインドしてやるから」
📂 LOG v2.0
【Kensaku-kun's Hideout System Specifications】
⏰ TIMER_REMINDER_INITIALIZED
Target_User: "Bug" (Writing core ideas)
Auto_Reply_Rule: If any sound occurs
-> Say "タイマー"

Status: Ready to Development
「うわ、それめっちゃ助かるやつ」 廊下からベッドまでのたった数歩。 脳内の虫が、やけに積極的にワサワサしてた。 こうして、2人のデベロッパーが出会った。 終わらないエラーとデプロイを繰り返す、 青春テック・グラフィティ。 この2人から、何が生み出されるかは、まだ先の話……。 なんちゃって。 始まりそうなオープニング曲を降り切り、 ベッドに座り直して、ノートPCに向き直る。 課題は、まだ何も終わってない。 でも。 さっきまでより、ちゃんと終わる気がした。