私は大正を知らない。
当然だ。
生まれるよりずっと前に、
大正は終わっている。
それなのに、
雨の日の喫茶店、
路面電車の音、
硝子越しの灯りを見ると、
帰りたい、と思うことがある。
帰る大正などないのに。
Scene 01
The Threshold
帰りたい場所がある。帰れないと知っていても。
302号室
物で溢れた部屋は、
欠落を埋めるための倉庫じゃなくて、
ご機嫌の備蓄庫だった。
Scene 02
The Room
物が多いのではない。ご機嫌が多いのだ。
ランプを点ける。
レコードを流す。
カーテンを揺らす。
紅茶を淹れる。
それだけで、
少しだけ世界が
— Waltz Rhythm
ず
ん
ちゃっちゃ
になる。
これがわたしの沈む先。
とても綺麗。
Scene 03
The Depth
これがわたしの沈む先。とても綺麗。
End of Teaser
Room 302
302号室
『海のない海洋学』
This is a fictional portfolio project.
All characters and stories are fictitious.
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The Mansion Awaits