半径250m叙事詩
スピンオフ
耳甦り(よみみがえり)編



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今日は久しぶりに、
頭の中の死にたい奴らが静かだった。

こういう、
調子が悪くない時間と、
風呂に入れた時間が近いとコンビニに行ける。

夏のゲリラ豪雨だなんだの。
そういうのに負けていた時間が
あまりに長すぎた。

ドアをあけて外に出ると、

引きこもって、エアコンの音を聞いてるか、ショート動画や長いYouTubeなんかを流し続けてるのとは、ちがう世界の活発な音がしてて、

あぁ、今は世界もゲリラ豪雨の驚異から、少しだけ羽を伸ばしているんだと思った。

あと、明日は満月らしい。
満月の日は人間も動物も活発になると思う。

左上から順番に
蝉の鳴き声が3つ
代わる代わる聞こえた

右側から犬の鳴き声がする。

自分のツッカケの足音がする。

人間って死ぬ瞬間、
最後に残る感覚は聴覚だって聞いたことがある。

少し生き返る時も、
人間耳から生き返るんだなって思った。

まだ耳からの刺激に脳みそが追い付いてない。

でも、
コンビニまでの250mの音は、
それなりに気に入った。

録音しておけばよかった。

そう思ったから、
帰り道は、
録音してみた。

まだ聞き直していない。

コンビニ袋には、
シスコーンと低脂肪牛乳。

またすぐ死にたくなるだろうから。

今日みたいな日を
こうやって残しておくことしかできない。

たぶん、
そんなに聞き返さないし、
この行動に救われるような日は別に来ないだろう。

でも久しぶりに少し動いただけで、
血流が流れたみたいで、

全身が痒かった。

耳を生き返らせる。

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